幼虫は大小の2匹しかいないようだが、幸いなことに鳥に獲られることなく順調に大きくなっていく。

ところがある日、大きい方が姿を消した。
ビチャッとした排泄の跡があったので蛹になるべく食草を離れたんだろう。
どこにも見当たらない。
数日後の夜。小さい方も見当たらなくなったが、よく探したら鉢の淵を歩いていた。
急いで木の棒に移してプラスティックのケースに入れる。
3時間ほどウロウロしてようやく場所を決めたようだ。
調べたら、数百メートルも移動するらしい。

糸でしっかり固定。ムチムチでかわいい

そして

羽化が近そうだと思い、早朝から気にしていたのだがなかなか羽化しない。
「明日かな」と油断してしばらく目を離していたら羽化していた。
また羽化の瞬間を見損なった。(去年の様子はこちら)

近くで写真を撮ったり、ケースを動かしてもじっとしたままだ。
まだ飛び立てないのかな。
少しずつ羽根を動かしている。




いつまでも見ていられないのでベランダに移して写真を撮っていたら遂に羽ばたいて飛んでいった。
ちゃんと飛んでいけたかなぁ。



ナミアゲハの幼虫のようだ。
たくさんついているのだが、観察していると、大きくなったのが次々といなくなる。
犯人はスズメだろう。
彼らも子育てに必要なタンパク質をせっせと捕っているところなのだ。
木を覆い隠すわけにもいかず、静観することにしたが、幼虫はどんどん減っていく。
どう探してみてもこの子が最後の1匹というところで、「もう食べ尽くした」と思われたのか、スズメの攻撃が終わった。
毎日「いる?」と確認しながら見守っていると、8月10日、遂に脱皮してかわいい芋虫になった。



それからも毎日居場所を確かめつつ観察していたら、8月24日にサナギになる準備をはじめた。


後は羽化を楽しみにしながら待つだけだ。
ケースに入れて観察することも考えたが、そのせいで羽化に失敗したらかわいそうだ。
寄生虫が心配だが、運を天に任せる。
9月1〜3日くらいに羽化するだろうと思っていたのだが、今朝、カーテンを開けてみたら蝶がぶら下がっていた。
「あ〜、羽化しちゃった!」と奥さんを起こして再びベランダを見たときにはもういなかった。
残念! 羽化するところを見逃してしまった。
昨夜見たときは変わった様子もなく、まだかなぁと思っていたのだが。
それでもカーテンを開けて見たのはまだ6時前だったので、早い時間に羽化したんだな。
まぁ、無事に蝶になれてよかった。
奥さんも「ひらひら飛んでた」ところは見られたようなのでそれもよかった。

葉も落ちてすっかり枯れたかと思い、北側のベランダに置いてあったのだが、春になったら新芽が出てきた。
しかも、冬の間に幹が太くなっていた。
支柱に固定する針金に樹皮が食い込んでいてわかったのだ。

日当りのいいところに移動したらどんどん芽を伸ばしてきたのだが、アブラムシがついてしまった。
仕方ないので、土曜日に江戸川の土手からてんとう虫を誘拐してきた。
成虫3匹、幼虫4匹。
夕方に山椒の木に移して、翌朝確認。
成虫1は木のてっぺんで盛んに動いていたが、ちょっと目を離したスキにいなくなっていた。
成虫2は羽根がおかしいらしく飛べないようだ。
しかもすぐ下に落ちてしまう。
ベランダの隅を歩いていたので1階の植え込みに放してあげた。
成虫3は気に入ったのかせっせとアブラムシを食べてくれている。

日曜は1日留守にしていたのだが、今朝確認したら成虫3もいなくなっていた。
まぁ、成虫には初めから期待はしていない。
残った幼虫たちにアブラムシを食べてもらい、ここで立派なてんとう虫になってもらえればいいのだ。

ところが4匹いた子が3匹しかいない。
ひとりどうしちゃったんだろうか?
どこかに隠れているのかと探していたら、黄色い卵のようなものを発見。

成虫3が産卵していったのだろう。マーベラス!
ただ、そうなると餌のアブラムシが足りるかが心配になってくる。
アブラムシを退治してもらうためにてんとう虫を誘拐してきたのに、そのてんとう虫が大きくなるにはアブラムシが必要で・・・。
うーん、どうしたらいいんだろう?
さらに、ホソヒラタアブの幼虫らしき子も2〜3匹いるみたいだ。
もっと早く来てくれれば良かったのに!
なんか変な気がしてよく見ると足が生えている。
蝶だ。
珍しいので写真を撮っておき、夜になって調べてみた。
はじめはコノマチョウかと思ったが、羽根が違う。
もっとボロボロな感じだ。
あれこれ見てルリタテハだと分かった。

本当は右が下になっているのだ。
このこは下を向いて、北風に吹かれながら踏ん張っていた。
南側の暖かいところに連れてってあげようかと思ったのだが、指を出してものってこなかった。
日向に置いてあげたら、きれいな羽根を広げて見せてくれたかもしれなかったなぁ。
家にはこの子が食べるような植物はないし、こんなに大きくなるまで気がつかないわけはないので、どこかからやってきたのだろう。
ネットで調べたら、エビガラスズメの幼虫のようだ。
はじめは、蛹になるために下から上がってきたのかと思ったのだが、地中で蛹になると書いてあるので、そうではなさそうだ。
1階の植え込みには餌になりそうな植物が生えている。
試しにアサガオだかヒルガオだかの葉を採ってきてあげてみる。


そうしたらすごい勢いで食べ始めた。
お腹がすいていたのか?
なんだか可愛い。
結局、1階の植え込みに放してあげた。
いったい何しに3階まで上がってきたんだろう。
それとも上から下りてきたのか?
どこかに登るのかと見ていたが、危なっかしいのでつれて帰り観察することにした。


羽化が始まるのは遅い時間だろうと思って食事をして戻ってみると……

背中が割れるところを見逃した〜。もうこんなに出ちゃっている。

この逆さまの状態がしばらく続いた。たまに体を起こすのだが、前の足が殻に届かない。
大丈夫か? 失敗じゃないのか? 手を貸した方がいいのか?
心配しながら見ていると、ぐーっと上体を起こして殻をつかみ、全体が外に出た。


だんだん色も濃くなる。

思っていたとおり、アブラゼミだな。

5時頃目が覚めたので見ると、葉の上に乗っていた。
これから飛び立つのかと思って見ていると、ブブッと飛んだ。
と思ったら、葉の裏にぶら下がってる。失敗だったらしい。
葉の上に戻って再チャレンジ。
今度は50センチくらい飛んで(落ちて?)ブーゲンビリアの木に止まった。
イモよりはるかに小さい葉の上で四苦八苦しながら体勢を整え、三度目の挑戦。
あ〜ぁ、アジサイの葉っぱにぶら下がった〜。
まったく不器用だなぁ。そこからじゃ飛び立てないだろ。
しかたないので手に乗せて外に向けてあげたら、向かいの公園の林の中に飛んで行った。
「元気でな」って言っても1週間の命なんだよなぁ。

そこにカマキリの卵が産みつけられているのをよく見るのだが、冬の間にきれいに刈り取られてしまうのだ。
いつも「あぁ、カマちゃんの卵がー!」と思いながら見ていた。
そこで今年は見つけた卵を安全そうな場所に移しておいたのだ。
今年は昨日から刈り取りが始まった。
卵を置いたのはユキヤナギの植え込みの中。
そこは刈られないから大丈夫、と思っていたら、人が入ってゴミを掻き出している。

慌てて走って行って見ると、カマキリの卵はまだ無事だった。
急いで回収してひとまずうちに持ち帰った。
